由緒




創建は推古天皇9年(601年)五月と伝えられ、宝亀年間に熊野五社大権現を祀り、これが現在の地名に受け継がれてきた。
現存資料として、慶長12年(1607年)三月の棟札を有す。
この時代には五辰宮と称し、江戸期には熊野社と呼ばれた。
社前に「まいまいず井戸」と呼ばれる堀兼式の鎌倉期の井戸があり、東京都史跡に指定され、年間数万人が見学に訪れる。
人間に生命の源である水と、精神の源としての神社がこの地域の中心的存在であった事が容易に想像できる。

本殿は一間社流造り、板葺。千木、鰹木を有し、緻密な彫刻も施され、シンプルながら微妙なプロポーションを有している。(貴重な木割帳も現存)
平成3年に羽村市有形文化財に指定。

第61回伊勢神宮式年遷宮の際、神宮当局より古材を下賜されるにあたり、当時の宮司並びに氏子代表者が伊勢の地に赴き、車両で古材を自ら搬送。
現在、社殿の一部にそれらを使用している事は、特筆すべきで永く記憶に残したい。
平成22年に本殿の覆殿、幣殿等大改修を完遂。